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2009年5月

みんなが幸せになる方法(ひとつの考え方)

民主党代表選に出馬する岡田氏が会見で「国民が幸せになるよう後押ししたい」と述べた。結局スローガンだけで、具体的にどのような政策で国民の幸福を実現するのかについての言及はなかった。具体性のなさは対抗馬の鳩山氏も同じ。「友愛政治」って何よ?

すべての国民が、と言うのはかなりハードルが高いかもしれないが、多くの国民が幸せになる為にはどうしたら良いのだろう?本当は人任せ(例えば政治に期待するとか…)にしては、いつまで経っても実現しないのではないか?結局のところ、国民ひとりひとりの心がけにかかっているのではないか?

最近、「神の手を持つ」と賞賛される脳外科医、福島孝徳氏の本(『福島孝徳 脳外科医 奇跡の指先』(PHP文庫))を読んで感銘を受けた。何に感銘を受けたかと言えば、福島医師の仕事に対する姿勢だ。彼は「すべてを患者さんのために」と言う心構えで、脳外科医という仕事に全力で取り組んでいる。

1日も早く一人前の外科医になりたいと若い頃は率先して手術経験を積み、患者の身体的負担を減らすべく画期的な手術技法と様々な手術器具を自ら開発し、要請があれば世界各地へと赴く。しかも手術器具が整っていない国・地域には自腹で器具を持参し、術後には寄付。さらには、できるだけ多くの患者を救うべく、脳外科医育成財団を設立したり、自らの手術の様子をビデオ教材として提供し、後進の育成にも力を注いでいる。

そのすべてが「患者さんのために」というただひとつの目的に収斂される。そこに私利私欲は一切ない。彼が得た世界的名声は、彼の類い希な業績の結果に過ぎない。その名声さえ利用して、彼は脳外科学会、ひいては医学界全体の発展に尽くし、その成果を患者に還元しようとしている。その点に私は心を打たれた。

その型破りな言動は、日本の医学界の枠には収まりきらず、彼は40代で国外へと飛び出してしまった。今や独自に確立した「鍵穴手術」で、脳外科手術の世界的権威。世界をまたにかけて複数の大学の教授を兼任している。これは所謂「頭脳流出」ですな。世界の為には良かったが、日本にとっては大きな損失だったのではないか?こうした大器を生かす余裕が、日本の医学界になかったのがとても残念だ。

福島氏は近著で、日本の医療に対し率直な提言を行っているが、果たしてどれだけ理解され、受け入れられるのだろう?アメリカナイズされた合理性がそのまま日本の医療に適用できるとは思わないが、謙虚に耳を傾けるべき点は多々あると思う。なぜなら、彼の視点は一貫して「患者本位」だからだ。

福島氏についてさらに興味深い点は、「神の手を持つ」と賞賛されながらも自らの限界を自覚し、最後は「神」(福島氏は明治神宮の神官の家に生まれた)に患者の命を委ねる「謙虚さ」である。真の実力者はけっして驕り高ぶらない(逆に実力のない者ほど、自らを強く、大きく見せようとする)。自らが長年に渡って培った技術を惜しみなく後進に伝えるという姿勢も、彼の偉ぶらない人柄をよく伝えている。

人はそれぞれ何らかの役割を担って、この世に生を受けたはずだ。ひとりひとりが私利私欲に囚われることなく自分の役割を誠実に全うすれば、世の中は劇的に変わるのではないか?別に大それたことではけっしてないと思う。日本国民は日本国民として、親は親として、子供は子供として、職業人は職業人として、自分が今何をすれば最善なのか誠実に考えて、行動に移すだけのこと。それが長年に渡って疎かにされて来たから、現代社会は機能不全に陥り、多くの人が閉塞感に囚われ、自らの人生に幸福を見いだせないのだと思う。まずは自分が変わらなくちゃsun

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