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今更ながら、グローバリゼーションの衝撃

無力な中間層として恐れていることを書きます。相次ぐ「派遣切り」に対して、怒りのデモ行進をしている人々の姿をブラウン管越しに見て、とても他人事とは思えません。

果たして、日本の基幹産業である自動車産業に復活はあるのだろうか?

このところの世界的不況、特に大きな市場である米国で自動車の売れ行きが激減し、日本の自動車産業も苦境に陥っている。在庫が増え、生産調整をしても対応できない為、期間従業員を大量解雇する事態にまで発展しているのは、連日の報道でも周知の通りだ。

因みに自動車1台作るのに約2~3万点の部品が必要なのだそうだ。それだけの数の部品を使うということは、それだけ日本のあらゆる産業への影響が大きいことを意味する。先日、ある報道番組では「風が吹けば桶屋が儲かる」式で、自動車が売れなくなれば、タイヤメーカー→ゴムメーカーと言うように、自動車産業の不況が様々な産業へ波及することをレポートしていた(【追記08.12.24】辛坊治朗氏によれば、自動車産業の年間設備投資額は1兆5000億円で日本の産業全体の20%、自動車の年間輸出額は18兆円で全体の22%を占めるらしい)。

一説によると、日産マーチ一台を作るのに必要な部品の価格を単純に合計すると、販売価格の3倍(300万円)になるらしい。これには組み立て費用は含まれていない。では、どういうカラクリで100万円台の低価格を実現しているのか?利幅の大きい高級車の利益も含め、販売車種全体の利益で差額を相殺しているのだろうか?(だとしたら、マーチはかなりお得感アリですね)

ところが、ここに衝撃的な事実がある。すでに新聞で報道されているので、ご存知の方も多いと思うが、「A.T.カーニーの試算によると、世界中から部品を集めればエアコン、エアバッグ付き自動車でも3000ドルで作れる」(日本経済新聞、2008年10月30日付朝刊1面)。3000ドル~日本円にしてたったの30万円である。

「日本で課税最低限以下の年収200万円」が中間層(現在は5000万人だが、今後7年で2~3億人に増えるらしい)と言うインドでは、せいぜい数十万円が自動車の適正価格なのだろう(実際、インドの自動車メーカー、タタ社は約20万円の低価格車を開発中)。記事にはさらに衝撃的なレポートが続く。この中間層の世帯の半数には使用人がおり、車を持つ世帯の1割にはお抱え運転手もいる。サラリーマン世帯の平均年収が600~700万円の日本では考えられない生活スタイルである。

日本の自動車産業も中国に次ぐ巨大市場と言うことで、積極的にインド市場への参入、工場建設を進めているが(←つまりインド向け商品は現地生産だから、インドにおける市場拡大が日本の工場の雇用拡大には繋がらない)、果たして従来の「豊かさの概念を覆す」インドと言う国で、日本のビジネス・モデルは通用するのだろうか?国内市場の縮小に伴い、今後益々依存度を高めて行くであろうグローバル市場での衝撃的な「低価格革命」に直面すれば、これまでのような利益の確保は難しいのではないだろうか?

今後日本の工場に、かつての活況が戻ることはあるのだろうか?(←あるとすれば先進諸国市場のガソリン車から、ハイブリッドもしくは電気自動車等の環境に配慮した商品への買い換え需要か?)あらゆる産業への波及効果が高いだけに、基幹産業である自動車産業の苦境は、そのまま日本経済全体の苦境へと繋がるのが恐ろしい。

インドの中間層が享受している生活レベルを一度も経験することなく、日本の中間層は日本経済の凋落と共に転落して行くのだろうか?もしかしたら今、私達日本人に「豊かさの概念」そのものを変えることが求められているのかもしれないし、自動車産業に代わる基幹産業を、日本産業界は考えるべき時に来ているのかもしれない。

【矛盾するようですが…】
中国、インドと言った巨大市場で、従来型のガソリン車がどんどん販売され増えていったら(←価格的にも当面はガソリン車主流ですよね)、環境負荷がとてつもなく高くなってしまうのでは?地球環境は大丈夫?

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